校長先生の話(三学期始業式より)

  3学期始業式 メッセージ
          2022/01/12 
         校長 梶原 正彦

 令和3年度の冬休みはゆっくり過ごすことができましたか。規則正しい生活・適度の学習・運動、そして家の手伝いなど…することができましたか。私は運動不足と不規則な生活を送ってしまったもので、2キロも体重が増えてしまいました。今日から学校が始まったので、少しずつ体と頭を動かして体調を整えていこうと思います。
 
 これからの3学期のことについてお話します。また、ここに来てコロナによる感染者が急増しています。正しく恐れることが大切です。人類がその歴史上、感染症に負けたことは一度もありません。マスクの着用・検温・手洗い・うがい・換気などの体調管理、友達や先生たちと距離感、家での過ごし方…これまで通り意識して行っていきましょう。そして、「3年生を送る会」で、これまで湖南中を支えてきてくれた感謝を伝える会として工夫しながら実施していきましょう。また、今年節目となる第70回卒業式をみんなで力を合わせて思い出に残る式にしていきましょう。もしかしたら、感染が広まり思うようにできない可能性もあるかもしれません。その時には、学園祭や修学旅行の時のように一緒になってどのようにしたらできるか考え、取り組んでいきましょう。コロナ禍は全てのことが思い通りにできる「順境の時」ではなく、思うようにはならない「逆境の時」かもしれません。だからこそ、そこを逆手に取り、逆境だからこそ、そこを活用していく「思考の転換」が大切だと考えます。自分の行動が先の将来にどのようにつながっていくのかなどの「想像力」を高め、様々な人の置かれている立場や背景の違いなどを知った上での「多様性」を認め、人を愛おしみ許すことができる「寛容の心」を育てられる時だと考えます。

 1月10日、月曜日の山梨日々新聞に「航空 日本一 コロナ超え 春をつかむ」との見出しが目にとまりました。航空高校バレーボール部は県内初の全国制覇を果たしました。昨年の6月寮でクラスターが発生し、多くの生徒が感染してしまい、インターハイには出場できなかったとのことです。その上、「山梨から出て行け」などの誹謗中傷が学校に寄せられたとの寂しい話を新聞で知りました。悔しかったんだろうと思います。そんな状況の中でも、めげずに我慢し、限られた時間で練習に励み、戦い、今回の優勝を果たしたことには大きな価値があり、その姿から私たちは多くのこと学ぶことができると思いました。
そして、もう一つ。4月から朝学校の周りを歩いているときに挨拶を交わし話をするようになった湖南中出身の富士河口湖高校の3年生の人のことです。先日、河高で懇談会が行われ湖南中の校長として招かれ、行ってきました。すると、その席にいるではありませんか。なんと生徒会長をしていたとのこと。その後、朝会った時にゆっくり話を聞いたら、「推薦入試で都留文科大学を受験し、合格しました。教員への道を目指します。」と言っていました。中学時代どんな生徒だったのか気になったので、湖南中の先生方に話を聞いたら、中学校1年生の時にはあまり登校することもできなかったとのこと。何がきっかけで、頑張れるようになったのか。そして変わることができたのか。みなさんの中にも今、もしかしたらうまくいかなくて辛い思いをしながら登校してきている人もいるかも知れません。でも大丈夫です。生きてさえいれば、人はやり直しができ、再出発ができるのです。

 また、3年生の中には受験を前に不安な日々を送っている人もいるかもしれません。でも、大丈夫です。行った高校で人の価値は決まるのではありません。そこに行ってどう頑張るかであなたの価値が決まるのです。そして、不安なのはみんな一緒。だから、みんなで頑張るのです。受験は個人戦ではなく団体戦です。コロナも一緒。この湖南中に集うみんなで体調管理にこころがけ、今置かれている逆境を乗り越え、これからの予測不能で困難な時代に力強く生きていくための私たち自身の底力にしていきましょう。課題が人を強くし、大きくすると思います。
 
 最後に、何か困ったことがあったら、学校の誰でもいい。是非伝えてください。私もその一人にさせてください。玄関先にあるホワイトボードの所に用紙と箱を用意しました。悩みでも、嬉しかったことでも、詩の感想でもいいです。書いてそこに入れてください。

 春はもう間近です。みんなで、元気に、3学期を送っていきましょう。

 リモートをいいことに長く話してしまいました。ごめんなさい。
 
                         以上です。